瑞牆山⇒巨大な花崗岩が林立する奇岩の山(日本百名山6座目)

瑞牆山

瑞牆山(みずがきやま)は標高2,230m。奥秩父の中でも奇岩の山として知られる。

この付近は花崗岩でできているので、金峰山なども頂上付近に五丈岩と呼ばれる巨岩がそびえていたり、大日岩と呼ばれる巨岩があったりする。

瑞牆(みずがき)とは読めないし書けない難しい名前だ。ウィキペディアで調べると、神社の周囲の垣根(玉垣)のことらしい。花崗岩が林立する様が、垣根に例えられたのだろうか。

金峰山から富士見平に下る

前日は金峰山に登頂し、金峰山小屋に宿泊していた。

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朝7時に山小屋を出発して、瑞牆山に向かう。前日に引き続き、この朝もいい天気だ。

実は山小屋を出る時に、少し心配なことがあった。水だ。前日に金山山荘キャンプ場を出る時にハイドレーションに2L、ペットボトルに600mlの水を入れてきていた。山小屋に着くまでに半分以上飲んでしまっていたので、残りは1L弱しか無い。

それでも3時間歩けば富士見平の水場があるし、下りだし、いざとなったら途中の大日小屋にも水場がある。それに宿泊していた金峰山小屋は水場がなく水は雨水に頼っているので、水は貴重品だ。そこで水を補給せずに出発した。

八ヶ岳

富士見平までのコースタイムは3時間だ。標高2,599mの金峰山から標高1,814mまで下るので、楽勝だと思っていた。この時までは。

順調に下山していく。稜線からの眺望が素晴らしい。

稜線歩き

と、ここで油断してしまった。右膝の靱帯を伸ばしてしまったのだ。その瞬間「あ〜、やっちまった」と思ったが、時既に遅し。その後は、下山にもかかわらずスピードダウンが顕著となる。

途中で後から山小屋を出発したご夫婦に抜かれる。足取りはさらに重くなる。

水場が見つからない

さらに、水不足が気になってきた。スピードが遅くなった分、不安が増したのだ。そこで大日小屋の水場に立ち寄ることにした。

大日小屋

大日小屋は登山道から少し下ったところにある。地図を見ると、そこに水場があるはずだ。痛む膝ではこの程度下りるのも嫌になるが、仕方がない。

ところが、だ。

小屋のすぐ前に「水場」と書かれた看板があったので、左の方に回り込む。確かに小川があった。水場を探し、上流をたどる。しかし、行けども行けども水を汲めそうなところが見当たらない。とうとう登山道まで登り切ってしまった。

徒労に打ちのめされていたところに、山小屋で一緒に宿泊していたご夫婦が通りかかった。そして、ペットボトルを一本分けてくれた。本当に、感謝の瞬間だ。

気を取り直して、富士見平に向かう。ようやく到着した時には、もう足を引きずるほどだった。

なんとか水場まで下りて、水を汲む。これで一安心だ。

富士見平の水場

瑞牆山に向かう

この時点で10:15になっていた。

膝が痛むのでこのまま下山するか随分迷う。瑞牆山へのコースタイムは1:50だ。下山のあとは次の山に移動しなくてもいい。重い足取りでもなんとかなるだろう。そう判断し、瑞牆山に向かった。

富士見平から瑞牆山へはいったん沢まで下り、そこから登り返す必要があった。

少し歩くと、丸い奇岩があった。桃太郎岩というらしい。確かに大きな桃の中心が割れたような形をしている。

桃太郎岩

少し紅葉も始まっていた。

紅葉

痛みをこらえながら登っていくのだが、岩場の段差が膝に堪える。

へたりながらも瑞牆山に登頂

やがて、巨大な石柱が現れた。ヤスリ岩だ。

瑞牆山

ここまでくれば、あと一息だ。

12:30瑞牆山に登頂。

瑞牆山山頂

金峰山小屋からのコースタイム4:50を5:30かけて登頂した。

山頂は、登山客で一杯だ。水をくれたご夫婦もいて、「遅いので心配していた」と言われた。うん、確かにこれだけ遅いとダメだよね。

山頂でラーメンを作って、一息入れる。

ここからは今朝ご来光を見に登った金峰山も一望できる。

金峰山

それにしても、ゴツゴツした岩だらけだ。

雲の中に富士山も見える。

富士山

下山に苦労する

あまり時間の余裕もないので、すぐに下山を開始。

痛む膝では全く速度が出ない。次々と追い抜かれていく。

山頂で知り合った登山者が応援してくれた。桃太郎岩で、彼が山ガール2人と話をしている。彼女たちはなかなかの山のベテランらしい。健脚、若いっていいな。

15:00ようやく富士見平小屋まで帰ってきた。

富士見平小屋

もう日が傾いている。コースタイム1:30を2:00かけてしまった。足取りが重い。

昨日この山小屋のご主人と話したのが、遠い昔のことのように思えた。

あと少し、瑞牆山荘の駐車場まで下山しなければならない。

足を引きずるように、下山していく。

15:50瑞牆山荘に到着。長い一日だった。

下山

最後まで一緒に歩いてくれた彼のおかげかも知れない。

さらに彼は、なんと今夜宿泊予定の大菩薩嶺に一昨日登ったばかりだという。しばし情報を仕入れる。

瑞牆山は初心者コースということになっているが、岩場はかなり危険を感じたし、段差もきつかった。

膝の痛みもあったが、なかなか厳しい山だった。

車で一昨日にも行った増富温泉に向かう。ゆっくり膝を労ってやらなければ。

合計距離: 10967 m
最高点の標高: 2464 m
最低点の標高: 1529 m
累積標高(上り): 669 m
累積標高(下り): -1569 m
総所要時間: 08:52:48
Download file: 瑞牆山.gpx