竹林寺(高知市五台山) ⇒ 重要文化財が並ぶ土佐の名刹(第31番札所)

竹林寺

竹林寺とは

五台山金色院竹林寺(ごだいさんこんじきいんちくりんじ)は、高知県高知市五台山(こうちけんこうちしごだいさん)にある真言宗智山派の寺だ。

四国八十八ヶ所霊場第31番札所で、本尊は文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

神亀元年に開創|宗教法人竹林寺竹林寺は神亀元年(724)、聖武天皇(しょうむてんのう)の勅願(ちょくがん)を奉じた行基(ぎょうき)により唐の五台山になぞらえ開創されました。

竹林寺は、神亀元開創の縁起には、時の帝・聖武天皇が文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の霊場として名高い大唐の五台山に登り、かの地で親しく文殊菩薩から教えを授かるという夢をご覧になりました。そこで帝は、行基に日本国中よりかの大唐五台山に似た霊地を探し、伽藍(がらん)を建立するように命ぜられたのでした。

土佐のこの地が選ばれ、行基自ら謹刻した文殊菩薩像を本尊とし当山は開創されたと伝えられています。年(724)、聖武天皇(しょうむてんのう)の勅願(ちょくがん)を奉じた行基(ぎょうき)により唐の五台山になぞらえ開創されました。時代は下り、大同年間(806~809)には弘法大師が四国回国の砌、当山に錫(しゃく)を留めて修行され、この由縁をもって、当山はのちに四国霊場第三十一番札所に定められるところとなりました。

その後、時代を経て江戸時代に至っては、土佐代々藩主の帰依を受け、藩主祈願寺として寺運は隆盛。堂塔は土佐随一の荘厳を誇り、学侶が雲集し、学山(がくざん)(学問寺)として当地における宗教・文化の中心的役割を担うに至りました。今日、土佐の民謡「よさこい節」で広く親しまれています純信(じゅんしん)・お馬の恋物語。その僧・純信も江戸時代末、当山の脇坊・南の坊に住む修行僧のひとりでした。

しかし、明治初頭の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の難は当山といえどもこれを避け難く、寺運は一時衰微しましたが、その後、かつての寺観を取り戻すべく伽藍の復興整備を進め、ようやく往古の輪奐(りんかん)に復するに至りました。今日、み仏を拝す人々の参詣の香煙は絶えることなく、また、緑豊かな寺域は四季の自然の折々を楽しむ人々の憩いの場としても広く親しまれています。

神亀元年に開創|宗教法人竹林寺 から引用

日本三文殊の一つに数えられている。

竹林寺 (高知市) - Wikipedia本尊は文殊菩薩。切戸文殊、 安倍文殊とともに日本三文殊の一つに数えられる。 四国八十八箇所霊場第三十一番 札所。当霊場のうち文殊菩薩を本尊とするのは本寺だけである。

竹林寺 (高知市) – Wikipedia から引用

自宅からも近く、紅葉の名所としても名高いのでよく参拝している。

五台山 ⇒ 高知市の展望台。竹林寺、護国神社などみどころも満載(第31番札所)
五台山とは 五台山(ごだいさん)は、高知県高知市にある山だ。 標高は146mと低いが、高知市の町を一望できるため人気がある。 ...

国の重要文化財に指定されている仏像を多数収蔵し、庭園は土佐三名園の一つになっている。

竹林寺(高知市五台山) ⇒ 重要文化財が並ぶ土佐の名刹(第31番札所)

山門

この日は牧野植物園を見学した。

牧野植物園(高知市五台山) ⇒ 花一杯の公園としても楽しめるおすすめスポット
牧野植物園は、高知県高知市五台山にある植物園だ。その名称は、高知県出身の植物学者「牧野富太郎(まきのとみたろう)」に由来する。今回はこんこん山広場に初めて行ったが、とてもきれいだった。これだけでも十分に入園料を払う価値がありそうだ。ここは単なる花公園と思って入っても十分に楽しめる。

その後、目の前にある竹林寺に続く石段を上がる。

すぐに山門がある。

仁王像を拝観して、進む。

参道の両側は苔むしていて、風情溢れる。

本堂

石段を上がると、五重塔が見えてくる。

本堂。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺文殊菩薩を本尊に祀ることから文殊堂とも呼ばれる本堂は、寛永22年(1644年)、土佐二代藩主山内忠義(やまうちただよし)公により造営されました。今日、当山に現存する最古の建造物で、国重要文化財に指定されています。室町時代様式、一層入母屋(いりもや)、五間四方、柿葺(こけらぶき)のこの本堂は荘重な佇まいの中にも唐様の軽快な曲線を見せる軒反りや、放射状に広がった扇垂木(おおぎたるき)など、密教(みっきょう)寺院建築の中でも特異な様式を随所に見ることができます。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺 から引用

内部はこんな感じ。

本堂右にはびんずる様が鎮座するが、新型コロナウイルスのせいで撫でるのは自重。

聖天堂

本堂の右の小径を進むと、聖天堂がある。

聖天堂 – 総本山善通寺「聖天さん」として親しまれる大聖歓喜自在天は歓喜天とも呼ばれます。あらゆる罪障を取り除き、富貴財福をも受けるとともに縁結び・夫婦和合・子授け等、その功徳は広大無辺です。

聖天堂 – 総本山善通寺 から引用

鳥居を進む。

参拝する。

船岡堂

本堂の左には、手水舎。

その先に、祠が並ぶ。

その奥は墓地になっており、カプセルのようなものがある。

ブッダドームという。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺平成22年(2010年)、竹林寺西境内が「めぐりのもり」として生まれかわりました。深い緑におおわれた場所であった西境内の自然を活かしつつ、憩い、佇み、集える場として再生しました。
「めぐりのもり」内にはステンドグラスのドームに祀られたお釈迦さまの石像(インドにて造顕)や、木橋や石橋、小端立(こばだて)の小径、異なる表情を見せる三つの池など見どころも随所に。ごゆっくりご散策ください。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺 から引用

千体地蔵。

船岡堂。

竹林寺を再興した船岡芳信和尚を祀る。

ここが奥の院とされているそうだ。

大師堂

境内を戻り善財童子の像の先に、大師堂がある。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺弘法大師(真言宗の宗祖・空海 774年~835年)を祀る大師堂。本堂とは対照的に簡素な趣の大師堂は、寛永21年(1644年)、土佐二代藩主山内忠義公により造建されました。
正面の長押(なげし)にはその昔、お遍路さんが巡礼の証として打ち付けていった木礼が数多く残り、お大師さまの遺徳を慕う人々に捧げる香煙は今も絶えることがありません。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺 から引用

新型コロナウイルスのせいで五鈷杵にも触れられないのがもどかしい。

五重塔

参拝を終え、五重塔へ。

以前は三重塔だったが、昭和55年に建て替えられた。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺当山には古くは三重塔がありましたが、明治32年(1899年)の台風により倒壊。爾来、塔再建を悲願としてきましたが、昭和55年(1980年)、高さ31メートル、総檜造り、鎌倉時代初期の様式をもつ五重塔として復興しました。塔内にはインド・ブッダガヤより勧請された仏舎利(ぶつしゃり)を納め、また、初層内陣には大日如来(だいにちにょらい)をお祀りします。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺 から引用

そばにある一言地蔵に参拝する。

日吉神社

参道を戻り、日吉神社へ。

ここの狛犬は、珍しい親子狛犬だ。

内部はこんな感じ。

根桜。

庭園

鐘楼を通り過ぎて、庭園に向かう。

竹林寺の庭園は、土佐三名園の一つだ。

ちなみに残りの2つは佐川町にある。

佐川町 ⇒ 白壁が続く街並みを歩き名園に紅葉を見る
佐川町とは 高知県高岡郡佐川町(さかわちょう)は、仁淀川の中流域に位置する町だ。 仁淀川の清流を利用して古くから酒造が盛んで、現在も司牡...

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺鎌倉後期、文保2年(1318年)に土佐に来錫(らいしゃく)し、五台山西麓に吸江庵(ぎゅうこうあん)を結んだ禅の高僧・夢窓国師(むそうこくし)により作庭されたと伝えられます。客殿を囲むように山畔を利用して造られたこの庭は、明るくいかにも南国らしい趣をかもす北庭、そして中国の廬山(ろざん)と鄱陽湖(はようこ)を模した閑寂な風情を見せる西庭からなる鑑賞式の庭園です。高知県三名園のひとつに数えられ、平成16年(2004年)、国名勝の指定をうけました。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺 から引用

書院に入る。

この書院も、国の重要文化財に指定されている。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺江戸時代後期・文化13年(1816年)、藩主参詣の際の接待殿として造営された書院は入母屋で室町時代の様式をもつ書院造の主屋、切妻(きりづま)造りの玄関、そして唐破風(からはふ)造りの車寄せからなり、それぞれ異なる造りがひとつに調和しています。

書院造として古風な造りをもち、地方的な特色をよく残すとともに周囲に広がる庭園と一体となって江戸時代後期の書院造の粋を伝え、四国地方では数少ない近世住宅建築として平成27年(2015年)、国重要文化財の指定を受けています。

重要文化財の本堂や名勝庭園|竹林寺 から引用

内部を進むと、庭園に出た。

こちらの庭園は、池の上に書院が立つかのような景観だ。

書院を出て、宝物館へ。

ここは撮影禁止なので写真はないが、藤原時代から室町時代の重要文化財指定の仏像が並んでいる。

竹林寺 (高知市) - Wikipedia木造釈迦如来坐像(平安時代後期)木造、古色、51.8cm(数字は像高を表す。以下の各像についても同じ。)
木造阿弥陀如来坐像(平安時代後期 – 鎌倉時代)木造、漆箔、86.3cm
木造阿弥陀如来立像(平安時代後期)木造、彩色古色、98.0cm
木造薬師如来坐像(平安時代後期)桜の一木造、素地、94.5cm
木造大日如来坐像(鎌倉 – 室町時代)木造、古色、63.2cm
木造千手観音立像(鎌倉時代)檜の寄木造、古色、88.5cm
木造十一面観音立像(平安時代中 – 後期)檜の一木造、素地、48.8cm
木造勢至菩薩立像(平安時代後期)木造、古色、106.8cm
木造白衣観音立像(室町時代)木造、古色、100.8cm
木造馬頭観音立像(室町時代)木造、古色、玉眼、99.9cm
木造大威徳明王像(鎌倉時代)木造、彩色、160.0cm
木造愛染明王坐像(鎌倉時代)木造、古色、102.0cm、
木造多聞天・増長天立像(平安時代後期)木造、素地、91.5cmと93.5cm
(以上の諸仏は、本尊文殊菩薩像を除き宝物館で拝観できる)

竹林寺 (高知市) – Wikipedia から引用

感想

竹林寺には年に数回参拝しているが、数十年ぶりに庭園に入ってみた。

とてもきれいに整備された庭園で、心洗われるようだ。

新型コロナウイルスのせいで他に観覧する人もなく、ゆっくり楽しむことができた。

高知県でも屈指の寺なので、ぜひ参拝して欲しい。

合計距離: 3618 m
最高点の標高: 139 m
最低点の標高: 96 m
累積標高(上り): 151 m
累積標高(下り): -151 m
総所要時間: 02:20:59
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