テンチョとは
モンベルのテンチョは、テント+ポンチョから命名されたようだ。
テントとポンチョの両方の用途に使えることが売りだ。
【モンベル】カモワッチテンチョ
簡易テントとポンチョの機能を併せ持つ軽量コンパクトなアイテムです。簡易テントとして使用する際は、トレッキングポールを支柱にするか、天頂のループを枝などに吊るして設営します。ポンチョとして着用すれば背負ったパックごと雨風を遮ることができます。自然にとけ込むカモフラージュ柄です。スタッフバッグ付き。
キャッチコピー通りなら、かなり魅力的な商品に思える。
中途半端との感想
ところがネットで検索してみると、その評判は散々だった。
大部分は
テントに短しポンチョに長し
という一言でくくられている。
つまり、テントとしてもポンチョとしても中途半端。
それぞれ別にちゃんとした物を買った方がいい。
そういう感想だ。
詳しく見ていくと、こんな感じだ。
ポンチョ姿はかなり微妙
ポンチョとして使用した際の姿が、異様すぎるとの指摘がほとんど。
カオナシ
妖怪かよ!
モンベルのカモワッチテンチョ – 月映日記
山岳民族か!
山の中やキャンプサイトでは妖怪と間違われそうだ。
街中だと不審者だと思われ通報されるレベル。
まあ緊急用のポンチョだと思えば良い。
バスルームでの自撮り。
これは相当ヤバい。
子供に石を投げつけられそうだ。
あと、透湿素材でないため着心地が悪いようだ。
昔のレインスーツみたいな内部はベトベト、という感じになりそうだ。
テントとしては小さすぎる
予想通りだが、二等辺三角形のフットプリントのせいで居住スペースが狭すぎるようだ。
特にポールを立てる部分が構造上中央に来るため、それが邪魔で横になることができないようだ。
テンチョ(モンベル製)
テンチョの寸法は長さが260cm、幅が150cm(何れも最大)となっている。
三角錐なので、使える範囲はかなり小さい。
単純な三角関数なので、自分の身体寸法(身長180cm等)を実測して計算すると、有効長さは200cm程度と出た。
…が実際に寝てみると、それだけあるとは思えない狭さである…弛み無くはることが難しいからではないだろうか。
実際に張ってみたのが下写真である。
銀マットの寸法は180cm×60cmなので、これがハミ出す筈はないのだが…
オープンタイプなので、天幕外にシートがハミ出すと即濡れるから、これは避けなくてはならない。
マット長さを150cm位にする必要がある、シートも内部に織り込む必要があるだろう。
三角形の余った部分にはキャンドルランタンと蚊取り線香(夏場は必須)を置くと、単独徒歩行では荷物を置く場所が無くなる。
これは工夫次第だろう…LED式にして、火の気をなくすとかだね。
8月なので、ファスナーを締めると暑苦しい。
オープンタイプなので、虫については関係ないので、そのまま開け放して寝た…無くても同じか?(笑)
持参したシュラフのインナーは枕代わりで、銀マットにごろ寝する。
蟻が足の辺りをゾロゾロと這い回る。
実害が無ければ気にしないが、起きたら10箇所程食われていた…蚊と蟻だ。
実は然程気にしない性質だ。。。
それでも購入したワケとは
今回、この微妙なテンチョを購入したのは、宮之浦岳に登山する予定があるからだ。
ご存じの通り屋久島は雨が多い。
「屋久島では月に35日雨が降る」は本当か – Excite Bit コネタ
屋久島測候所に電話をすると、職員さんが「個人的見解ですが」と言いながら話してくれた。
「季節によりますね。梅雨に3日間続けて降らないことはないですが、ゴールデンウィークはそれほど悪くないです。10月もいいのですが、台風が来ることがあるので、タイミングです。『3日間降らないことが珍しいのか』と聞かれれば、『珍しくはない』ということになります」
どうも、雨のイメージが先行し過ぎているようだ。
気象庁のウェブサイトから調べてみると、2007年5月〜2008年4月までの1年間に、屋久島測候所で雨が降ったのは246日。月平均20.5日となる。梅雨明け後の盛夏や秋の行楽シーズンには、10日間以上続けて降らなかった記録もあって、データからも「イメージ先行」が裏づけられるようだ。
とは言うものの、気象庁観測地点の中では全国最大の雨量を誇る(?)屋久島。雨が多い理由はなんだろうか。
「海に囲まれていること、暖流の影響、地形が急峻なことが挙げられます。屋久島は中央部に高い山が連なっていて、(測候所のある)沿岸部で雨が降っていなくても、山の方で降っていることがよくあります」(前出の職員さん)
さらに登山ルートは長く、今回想定している淀川登山口のルートは最短とは言え、コースタイムは11時間だ。
屋久島里程標 − 淀川登山口〜宮之浦岳
休憩+往復で11時間
*帰りの時間は一般的に少し縮まりますが、疲れてペースが落ちることやアクシデントに備えて、同じ時間 かかると計算をした方が良いと思います。
万が一のことを考え、ビバークできる装備が必要だと考えた。
この2点から、テンチョも悪くないかな、と。
実際にこちらのブログの方も、
モンベル カモワッチテンチョ – ざるの洗い方
で、雨具としてはどうなの?
縄文杉は基本樹林帯。横風は橋の上以外大した事は無いので、上からの雨がしのげるだけでもかなり良い。リュックの上から被れるのも良いし、蒸れにくそうだし、ポンチョって結構縄文杉コースに合ってる様に思える。{足元が見えにくそうなのだが・・?}
ちょうどツエルトを買おうかな、とおもっていたところだったので、思い切ってみたのだ。
それに設営が簡単らしい。
通常のツエルトではテント形状で使おうとするとペグダウンやガイラインなども多く、慣れが必要だそうだ。
ツエルトを使う機会なんて俺にはほとんどないだろうから(あったら困る)、いざ使おうという場面では使い方を忘れていること必至だ(汗;)
その点で、このテンチョなら三角形の頂点を3箇所ペグダウンするだけで、あとはポールを立てるだけとお手軽そうだ。
これなら俺にも使いこなせそうだと思った。
中津明神山で使う
実際に中津明神山への登山に持参した。

設営した状態がこれ。
なにせ山頂到着時は強風で、置いてあったダウンの袋が転がっていきそうなほどだった。
それでも3箇所ペグダウンしただけでしっかり立てることができた。
設営も初めてにもかかわらず3分ほどで完了。
床がないので裾部分から風が吹き込んでくるのだが、テンチョ内部ではシングルバーナーを使うことができる程度に風が収まってくれた。
また狭いと聞いていた内部も、2人なら入ることができた。
実際にファスナーを閉めて締め切った状態で、ランチのカップ麺をすすってランチを済ませることができた。
これがなかったら、あの強風の中では食事をしようとさえ思わなかっただろう。
結論
これで寝泊まりすることはないし、たぶんポンチョとして使うこともないだろうが、万一の際に今回のように風よけや防寒に利用できそうだ。
緊急時にトイレの目隠しとしても活用できそうだし。
とりあえず使えそうだ、という感想だ。