禅師峰寺とは
八葉山求聞持院禅師峰寺(ぜんじぶじ)は、高知県南国市にある真言宗豊山派の寺だ。
第32番札所で、本尊は十一面観世音菩薩だ。
四国八十八ヶ所霊場公式ホームページ:第32番札所 八葉山 求聞持院 禅師峰寺
太平洋のうねりが轟く土佐湾の海岸に近い。小高い山、とはいっても標高82mほどの峰山の頂上にあることから、地元では「みねんじ」とか「みねでら」「みねじ」と呼ばれ、親しまれている。また、海上の交通安全を祈願して建立されたということで、海の男たちは「船魂の観音」とも呼んでいる。漁師たちに限らず、藩政時代には参勤交代などで浦戸湾から出航する歴代の藩主たちは、みなこの寺に寄り航海の無事を祈った。
縁起によると、行基菩薩が聖武天皇(在位724〜49)から勅命をうけて、土佐沖を航行する船舶の安全を願って、堂宇を建てたのが起源とされている。のち、大同2年、奇岩霊石が立ち並ぶ境内を訪れた弘法大師は、その姿を観音の浄土、仏道の理想の山とされる天竺・補陀落山さながらの霊域であると感得し、ここで虚空蔵求聞持法の護摩を修法された。このとき自ら十一面観世音菩薩像を彫造して本尊とされ、「禅師峰寺」と名付け、また、峰山の山容が八葉の蓮台に似ていたことから「八葉山」と号した。
以来、土佐初代藩主・山内一豊公はじめ歴代藩主の帰依をうけ、「船魂」の観音さんは今も一般の漁民たちの篤い信仰を集めている。仁王門の金剛力士像は、鎌倉時代の仏師、定明の作で国指定重要文化財。堂宇はこぢんまりと肩を寄せ合うように建っているが、境内は樹木におおわれ、奇怪な岩石が多く、幽寂な雰囲気を漂わせている。
芭蕉の句碑「木がらしに岩吹き尖る杉間かな」は、本堂前の奇岩の間にある。
町から徒歩で目指す
この日は、まず武市半平太の旧宅に訪れた。
車で、サンプラザの駐車場へ。
ここに車を停めさせてもらい、禅師峰寺を目指す。
目の前に広がるのは、石土池(いしつちいけ)だ。
釣り人に親しまれている。
石土池(高知県南国)
高知ではこれほど目立つ有名な池なのに、読み方が定まらない。「いわつちいけ」「いしどいけ」「いしづちいけ」など地元の人でもさまざまな呼び方で呼んでいるようで、どれが正式名なのか判別できないのが不思議だ。
さらに高知県では最初にブラックバスが入った池として地元では「十日の池」という愛称で釣り人に親しまれている実態もある。とにかく歴史、規模ともに高知市周辺の野池としては筆頭格といって間違いないだろう。
石土池に沿って歩いて行く。
桜が満開だ。
道路を横断すると、禅師峰寺への看板が現れた。
英語でも書かれているのは、最近外国からの遍路者が増えたからだろう。
途中、若宮八幡宮に参拝する。
古いが、きちんと草も刈られていて手入れが行き届いている。
禅師峰寺
若宮八幡宮のすぐ脇が、禅師峰寺への参道だ。
車道の右側に、遍路道がある。
石仏に見守られながら登っていく。
山門に到着。
807年と古い寺だ。
まずは不動明王が迎えてくれる。
本堂。
参拝を済ませる。
その奥が大師堂だ。
眼下に太平洋が広がる。
古くから海上安全の祈願がされてきたのもうなずける。
駐車場に下る。
駐車スペースは広く、トイレも整備されている。
散策
禅師峰寺をあとにし、車道を下りていく。
高知の寺には珍しく、車道は広く対面通行できそうだ。
町中を歩いて行く。
石土池まで戻ってきた。
石土神社に参拝する。
石土神社(いしつちじんじゃ) – 南国市役所:::::土佐のまほろば:::::
石土神社(いしつちじんじゃ)は十市の阿戸(あど)にあります。石土神社の祭神は石土神、赤土神、底土神の三神です。
『続日本後紀(しょくにほんこうき)』に、「承和8(841)年土佐美良布(とさびらふ)神社、石土神社を官社にする」と記載されています。また、古来伊予の石槌(いしづち)神社を奥の院に、当社を前の宮と呼んでいます。
東には、石土池が静かにひろがり、後方は峨峨たるカルストが続いています。また巌の下には石灰洞があり、鍾乳石や石筍(せきじゅん)が入洞をこばみ奥を極めたものはいません。
昔、峰寺に名犬があり、「八葉山手飼」という木札を首輪につけてあった。ある時この犬が兎を追いだした。逃げ場を失った兎は、とうとうこの洞窟に入った。七日の後、伊予の吉田の石灰洞で二匹が死体となって横たわっていたという。
これも洞窟の深さを物語るエピソードです。
由来書き。
拝殿。
洞窟に向かう。
蔵王権現が祀られている。
鎖場。
岩を登る修行をしていたのだろう。
その脇に階段が設置されている。
参拝を済ませ、石土池に戻る。
釣りをしている学生を眺めながら、駐車場に戻った。
感想
禅師峰寺は海を一望できる展望が素晴らしい。
ベンチも設置されているので、海を眺めながらのんびりするといいだろう。
石土池周辺も、見所が多い。
禅師峰寺だけでなく、ぜひ散策もしてみて欲しい。
最高点の標高: 94 m
最低点の標高: 3 m
累積標高(上り): 141 m
累積標高(下り): -144 m
総所要時間: 01:28:55