金峰山小屋⇒きれいなトイレ、暖かな羽毛布団、おいしい夕食の三拍子が揃っていた

金峰小屋
金峰山の山頂直下にある金峰山小屋(きんぽうさんこや)は、通年営業。 1泊2食で8,500円とリーズナブルな価格設定だ。 特筆すべきは、トイレのきれいさ。この日宿泊していた9名全員が、そのきれいさに驚いていた。 ちなみに金峰山(きんぷさん)は長野県では「きんぽうさん」と読む。 このため、長野県側に建つ金峰山小屋も「きんぽうさんこや」と読むのが正しいらしい。

初めての山小屋泊

実は今まで山小屋に泊まったことがなかった。で、この日は金峰山に登頂し、初めての山小屋泊体験となった。 その経緯はこちらの記事で紹介済み。ご一読願いたい。
金峰山(きんぷさん)は標高2,599m、奥秩父連峰の盟主と称されている。山頂の脇に五丈岩という巨岩がそびえているため、遠くから見てもすぐにそ...
山小屋に到着したのは14:30。どうやら一番乗りだったようだ。 初めて宿泊するので勝手が分からない。素直に『初めて山小屋で泊まるので要領が分かりません』と、おかみさんに申告する。おかげで山小屋の案内や使い方など、丁寧に説明してくれた。

60名宿泊できる設備

1階のエントランスはとてもきれいに清掃されていて、思わず靴を脱いで上がりそうになった。おかみさんに「そこは土間だから靴のままでどうぞ」と言われなければ、気がつかないほどだ。 つづきの板の間部分に円卓が置いてあり、ここが食堂。 2階が就寝場所となっており、通路を挟んだ両側に2段のスペースが用意されている。 最初の到着と言うことで、一番奥のスペースを確保した。 宿泊棟 山小屋は雑魚寝だと聞いていたが、この日は60名の就寝スペースに9名の宿泊ということで間を随分と取ってくれて、ゆったりと過ごせた。 到着後、無料サービスのコーヒーを飲んで一息入れ、さっそく布団にくるまって昼寝。 布団は羽毛布団だ。心配していたが臭いなど全くなく、実に気持ちがよかった。

トイレがきれい

驚いたのが、トイレがきれいなことだ。 トイレ 別棟になっていて、階段を上がった2階部分がトイレになっている。 まだ新しそうだ。 男性用小便器が並んだ先に、個室がある。洋式だ。しかもトイレットペーパーが備え付けられていた。本などで山小屋のトイレにはトイレットペーパーがないと読んでいたので、ちょっと驚いた。今まで日帰りでトイレだけ山小屋のトイレを借りたことがあったが、ペーパーがあったことがない。それが当然だと思っていたので、かなり意外だった。 当然くみ取り式だが、非常にきれいに維持されていた。これなら女性も安心して利用できるだろう。 おかみさんに聞いたら、昨年新築したらしい。道理で新しいはずだ。 別棟だが母屋からの道には自動点灯のLEDライトが付いているので、夜でも安心してトイレに行けた。

夕食がおいしい

夕食の時間に、1階の食堂に下りていった。 メニューはポークソテーだ。 夕食 ナイフとフォークでいただく。 この肉の下に、ご飯が隠れている。さらに、白ワインがグラスでサービスされた。 山小屋でこんな夕食にありつけるとは思っていなかった。一緒に泊まったベテランさんも、こんないい夕食はめったに山小屋ではお目にかかれないと褒めていた。 さらにさらに、これで足りない人用にカレーも用意されていた。しかも食べ放題。 せっかくなので俺も少しいただいたが、これもかなりおいしい。さすがに年齢的に量は食べられなくて残念なほど。同じテーブルで食べていた28才の2人組は山盛りにしてひたすら食べていた。う〜ん、君たちがうらやましいぞ。

夜景は・・・惜しい

山小屋泊で期待していたことの一つが、美しい夜空を見ることだ。しかし残念なことに、夕刻から少し雲が出ていてあまりきれいではない。 おかみさんのいうには、夜中から晴れる予報だから時間をおいて見に行くといい、ということだった。そこでいったん寝て、2時頃起き出して夜空を見に外に出た。 まだ10月上旬だというのに、非常に寒い。山小屋を出て少し上がったところに広場があるので、そこまで行った。星空を見上げる。確かに星は見えてはいるが、残念なことに月も皓々と光っていて天の川までは見えない。 ちょっと残念だった。 星空よりも、下界の街の灯りが意外と明るいのが印象に残った。

初めてのご来光

5:00に起き出して、ご来光を見るべく金峰山の山頂を目指す。おかみさんが早くから起き出して、いろいろ教えてくれた。この朝の気温は1.8度、この秋一番の冷え込みだそうだ。道理で寒いはずだ。 実はもう少し後で登っても十分に日の出に間に合うと教えてもらったのだが、ヘッドライトを頼りにして登山するのも初めてで、少し心配なので早めに小屋を出た。 真っ暗な山道を登っていくのは、少し怖かった。道が、というより、熊が。頻繁に笛を吹きながら、ひたすら登っていく。 3/4くらい登ったところで下を見ると、ヘッドライトが動いているのが見えた。他の宿泊者も起き出して登ってきているようだ。 山頂に着いてしばらくすると、夜が明けてきた。 夜明け前 荘厳だ。 山小屋から20分ということだったが、俺は30分ほどかかっていた。この景色を見ることができたので、早めに出てよかったと思った。 5:48ついに日が昇ってきた。 初めて見るご来光。美しい。あまりに美しい。 テレビで山の番組を見る度に「番組的に、どうしてもご来光を見ないといけないんだね」と笑っていたのだが、格別なのだと実感した。 ご来光 振り返ると、五丈岩に朝日が差し込んで燃えるように輝いていた。その背後には南アルプス。 五丈岩 この朝も晴れていて、富士山はもちろん遠く北アルプスまで一望できた。 素晴らしい体験だった。

朝食はお粥

ひとしきりご来光を楽しんだあと、立ち去りがたい気持ちを抑えながら小屋に戻る。 既に朝食の準備はできていた。お粥だ。 朝食 こちらも八種類の薬味を含め食べ放題。温かさが冷え切った胃袋に染み渡った。 7:00小屋をあとにする。 おかみさんが、丁寧に見送ってくれた。初めての山小屋泊、素晴らしい体験だった。 ありがとう。
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