中土佐町立美術館とは
中土佐町立美術館(なかとさちょうりつびじゅつかん)は、高知県高岡郡中土佐町久礼(こうちけんたかおかぐんなかとさちょうくれ)にある美術館だ。
1989年に高知県初の本格的な公立美術館として建てられた、歴史ある美術館だ。
1989年(平成元年)6月中土佐町矢井賀出身の実業家故・町田菊一氏の『絵画を通して町民の芸術文化の意識高揚に寄与できれば』との篤志により同氏のコレクションとともに白壁の土蔵造りの建物を町に寄贈されここに高知県初の本格的な公立美術館が誕生しました。
収蔵作品の中には、日本洋画界の先駆者山本芳翠の滞欧作「洋美人」黒田清輝の羽子板絵「舞妓図」などの珍品とも言える貴重な作品や近代美術史に残る画家たちの秀作があり年4期に分けた企画展示で順次紹介をしています。
また、町田菊一氏と親交のあった司馬遼太郎氏による『 土佐にきて、嬉しきものは、言葉に、魚に、人のあし音 』という書が美術館前庭の石碑に刻まれており来館される皆様を温かく迎えています。
中土佐町立美術館|中土佐町から引用
山本芳翠や黒田清輝の作品など700点あまりの作品が収蔵されている。
中土佐町立美術館の主な収蔵作家名(抜粋)
油絵
赤松鱗作、浅井忠、有島生馬、石井柏亭、石川寅治、猪熊弦一郎、今西中通、 梅原龍三郎、奥谷博、鹿子木孟郎、上島一司、北蓮蔵、北川民次、熊谷守一、 黒田清輝 、小磯良平、小林万吾、小林和作、小松明、芝田米三、島田章三、 白滝幾之助、須田剋太、高島常雄、高塚省吾、高橋虎之助、高畠達四郎、 田崎広助、筒井広道、東郷青児、中川八郎、中沢竹太郎、中沢弘光、中村不折、 野間仁根、林武、福冨栄、 藤井勉、三岸節子、満谷国四郎、宮本三郎、 安井曾太郎、山下新太郎、山本芳翠、山脇信徳、和田三造、 他
日本画
秋野不矩、麻田鷹司、麻田辨自、池田遙邨、奥村厚一、小野竹喬、梶原緋佐子、 川端龍子、五姓田芳柳、土田麦僊、堂本印象、野口小蘋、濱田観、山本倉丘、 結城素明、横山大観、他
デッサン・水彩画・墨彩画・書
芥川龍之介、香月泰男、古賀春江、佐伯祐三、司馬遼太郎、富岡鉄斎、 野口弥太郎、藤島武二、与謝野晶子、若山牧水、他
版画・リトグラフ
絹谷幸二、関野準一郎、竹久夢二、中村清治、西山英雄、ピカソ、ビュッフェ、 藤田嗣治、ブラック、向井潤吉、棟方志功、他
浮世絵
東洲斎写楽、喜多川歌麿、歌川国芳、歌川広重、歌川芳艶、河鍋暁斉、 月岡芳年、橋本周延、他
また、企画展も積極的に開催しているようだ。
(企画展詳細)
・特別展「山本倉丘・生命の造形」展(4月11日~5月6日)
・特別展「高知県展萌芽の時代」展(5月11日~6月2日)
・開館30周年記念「時を越えて・土佐の風」展~土佐路の魅力、再発見ぞね~(第1期:6月6日~9月1日)
・「小磯良平と女性美」展~ほれぼれちや~(第2期:9月5日~11月24日)
・特別展「土佐の和紙に画」展(11月28日~12月27日)
・特別展「川田小龍と土佐の画人」展 by 村上コレクション(2020年1月5日~26日)
・「癒やしの絵画」展~優しさあふれちゅう~(第3期:2020年1月30日~4月5日)
駐車場
この日は久礼八幡宮の駐車場に車を停め、参拝した。
その後、純平タワーを見学。
そこから歩く。
10分ほどで中土佐町立美術館だ。
美術館には駐車場がないが、近くにある役場の駐車場を利用できるようだ。
この石碑の書は、司馬遼太郎の筆による。
このコレクションを寄贈した町田菊一氏と、司馬遼太郎が友人だった関係だそうだ。
外観
外観は、白壁の土蔵造りというまるで蔵のようなデザイン。
隣接して近代的な図書館があり、そのギャップが面白い。
司馬遼太郎の歌碑。
純和風の入り口を入る。
入館料は300円だ。
入館券とパンフレット。
展示
内部は2つの部屋に分かれている。
奥に見えているのは、宿毛市出身の洋画家・奥谷博さんから寄贈された絵画だ。
奥谷さんは「中土佐町立美術館大賞」で審査員を務められるなど同館長と交流があり、同館が今年6月で30周年を迎えることなどから、作品2点が贈られたそうです。
奥谷さんがお孫さんを描いたという愛らしい作品で、第43回日動展に出品された「瞳実嬢」に後日加筆し、タイトルも「蛙の髪飾り」に変更されました。
写真撮影可能なのが嬉しい。
奥の部屋へ。
美術館を出て、久礼大正町市場に向かった。
感想
こぢんまりした小規模の美術館だ。
それでも、収蔵作品には心打たれる物も多い。
司馬遼太郎の書による石碑もあるので、高知県初の本格的な公立美術館という歴史とあわせて芸術を感じたい。