恐山宿坊吉祥閣とは
恐山宿坊吉祥閣(おそれざんしゅくぼうきちじょうかく)は、青森県むつ市の恐山菩提寺(おそれざんぼだいじ)に隣接する宿泊施設だ。
菩提寺は比叡山延暦寺、高野山金剛峯寺と並び、日本三大霊場の一つとして知られる。
その宿坊とあって、期待を持って訪れた。
また温泉もあり、源泉掛け流しの硫化水素含有酸性緑ばん泉だそうだ。
チェックイン
この日は酸ヶ湯温泉から車で恐山にやってきて、菩提寺に参拝した。
https://niyodogawa.org/blog/outdoor/shrines-and-temples/temples/japanese-temples/7804/
ランチを済ませ、吉祥閣にむかった。
車は菩提寺の駐車場に停めたまま、荷物を引きずって宿坊に向かう。
とても大きな建物だ。
まるで最新ホテルのようなエントランス。
ここで下駄箱に靴をしまってから、フロントに向かう。
ロビーもとても広い。
照明がなかなかおしゃれだ。
まずはチェックイン。
部屋
2階建てで、37室あるようだ。
係の人の話では、硫黄ガスが強すぎて使用できない部屋があるとの事。
部屋は和室だ。
続きの間もあり、20人くらい寝られそうだ。
既に布団が敷かれていた。
後から知ったのだが、この敷き方は北枕だそうだ。
洗面台は2シンク。
トイレは水洗だが、温水便座ではない。
部屋には携帯の電波が届かない。
窓際に行くとかろうじてアンテナが1本立ったので、スマホを窓に立てかけて置いてテザリングでiPadを運用する事にした。
いまどきwifiも無く圏外なのはつらい。
窓から荒涼とした景色が眺められるのはよかった。
温泉
入浴は4時からという事なので、時間が来てすぐに入りに行く事にした。
ところが、部屋の鍵が閉まらない。
キーを差し込んで回そうとするが、回らないのだ。
しばらく悪戦苦闘したがどうにもならず、係の人を呼ぶ事に。
どうも硫黄ガスのせいで、金属が腐食しているようだ。
潤滑剤を吹き付けてもらい、なんとか施錠できた。
この一件で、むしろ温泉への期待はさらに高まった。
大浴場は、まさに大浴場。
とてつもなく広い風呂だった。
酸ヶ湯温泉の千人風呂並の広さだ。
しかも石張りの近代的な浴槽。
実に気持ちがいい。
源泉掛け流しという事だ。
さらに硫黄成分が強すぎるために、入浴後はお湯で洗い流すようにとの注意書きまであった。
どれだけ成分が強いんだよ。
恐山の温泉【効能は?日帰りは可能?混浴は?】
恐山の温泉は古来から「薬湯五湯」と呼ばれ以前は「新滝の湯」「滝の湯」「薬師の湯」「花染の湯」「冷抜の湯」と五つの湯があったのですが、現在、新滝の湯は使われておらず、代わりに宿坊にある「御法の湯」を新たにくわえ、薬湯五湯と呼んでいます。この五つの湯共通の泉質や効能は下記に記していますが、もっとも効能がある薬湯として知られているのが混浴の「花染の湯」でこの薬湯は中国の神泉「朱砂湯」に相当する国内唯一の湯といわれ、湯船に浸かると肌がパッと桜の花のように染まり、入浴後も肌が赤く染まって見える若返りの湯として親しまれています。この花染の湯は宿坊の裏側にあり少々見つけにくいのですが、恐山で温泉に入る際は是非一度その効能を味わってみてください。
また恐山温泉の泉質はどれも強酸性の為、肌に傷や病気などを持っていると更に悪化することもあるそうです。昔の人はこのような急所を布で隠して入浴したと伝えられていますが、もし肌を怪我していたり病気を煩っている方は様子を見ながら入浴された方がよいかもしれません。
洗い場も多く、40人くらいが一度に洗えそうだ。
写真を撮れなかったのが残念。
大浴場を撮影してたブログを見つけたので、興味のある人は参照を。
夕食
部屋に戻って、やはり鍵が回らない(汗;)
5分ほどガチャガチャしていて、ようやく部屋に入る事ができた。
夕食は、ロビーに隣接する広間で食べる。
旅館じゃないので、浴衣では行けないので注意。
食事はもちろん精進料理だ。
なかなかおいしくて、おかわりを3杯もしてしまった。
この時出された箸は朝食でも使うので、箸袋に収めて持ち帰る必要がある。
朝のお勤め
快適な眠りの翌朝、6時30分から朝のお勤めだ。
部屋を出て、本堂に向かう。
この日も雨。
宿坊で傘を借りて、本堂への廊下に向かった。
長い廊下を歩いて行く。
途中、境内にある温泉が見えたのだが、人がいた。
温泉に入りに来たのだろうか。
本堂で朝の礼拝を済ませ、地蔵堂へ。
ここには花嫁人形が数多く飾られていたのが印象的だった。
朝食
宿坊に戻り、朝食を頂く。
夕食の時に持ち帰った箸を取り出し、さっそくいただく。
朝食も美味しくて、おかわり。
おひつのご飯を食べ尽くしたのだった(汗;)
食後、少しゆっくりしてからチェックアウト。
雨が強かったので、駐車場から宿坊の前まで車を移動させて荷物を積み込む。
この後、青森市を目指す。
https://niyodogawa.org/blog/outdoor/climbing/japan-mountain/7912/
感想
素晴らしい宿坊だった。
精進料理なこと、飲酒禁止なこと、朝のお勤めや時間が決められている事を除けば、高級旅館と言ってもいい。
もちろん温泉は最高。
食事も美味しかった。
ネット環境は最低だったので、ここが減点対象だ。
仕事柄、ここは譲れないので。
それでもまた泊まってみたい、と思わせてくれる場所だ。